MoOS構想:新たなモビリティ社会の中核インフラへ ― テラチャージ × テラドローンが拓く「地上×空域」制御OS ―
社会背景:モビリティの地殻変動
今、私たちは以下のような構造的変化を迎えています:
・EVの急拡大と充電インフラの最適配置
・運用管理の課題
・ドローン・eVTOLの実用化と低空域交通の混雑、安全対策
・無人物流・無人運送が進む中での移動体の自律管理と制御最適化
・各種モビリティの接続が進むIoV(Internet of Vehicles)社会
・自動運転・AIカー時代に向けたAIによる移動の意思決定の実装
テラチャージとテラドローンの事業領域と強み
テラチャージ
主力事業:EV充電インフラの設計・設置・運用(フリート対応含む)
強み・技術資産
  • 全国規模のEV充電ステーション設置網
  • フリート向け運用管理ノウハウ
  • エネルギーマネジメント+IoT/クラウド連携
テラドローン
主力事業:ドローンによる点検、測量、空域管理、UTM開発
強み・技術資産
  • 世界20か国以上でのドローン実績
  • UTM(無人航空機管制)技術のリーダー
  • eVTOL/ドローン統合空域制御ソフト
MoOS構想: 両社の統合による新事業領域の創出
MoOS(Mobility Operating System)とは:
地上のEV・自動車、空のドローン・eVTOL、それらを支えるインフラ・通信・制御・AIを統合し、次世代モビリティ社会を支えるOSレイヤーを構築する構想。
テラチャージとテラドローンのシナジー(地上の制空管制)
テラドローンのUTM(無人航空機管制)ノウハウを応用することで、以下を実現します:
EV充電ステーション網の構築・運用
  • UTMの「空間リソース管理技術」を応用した、充電ステーションの利用最適化(電力・台数)
  • フリート車両の動的ルート誘導と充電最適化
フリート充電プラットフォーム
  • ドローン群制御のノウハウを活かし、EVフリートの運行管理、最適タイミングでの充電、動的スケジューリングを実現
MaaS / SDV連携(今後)
  • UTM由来のマルチモビリティ混雑マップを応用し、EV交通流の需要予測・再配置を行うAPI群を提供
UTMの制御機能
UTMが持つ「空域の制御権限・優先制御」の技術は、EVステーションの交通制御や占有権制御において、OS的な機能へと昇華させることが可能です。
両社の統合により生まれる新たな価値
EVフリート制御・運行最適化プラットフォーム
ターゲット:
物流業者、ラストワンマイル配送、ライドシェア運営者
特徴:
ドローンUTM技術を応用した車両のリアルタイムルート最適化、バッテリー残量・混雑・天候考慮
提供価値:
燃費(電費)向上、配送効率アップ、衝突リスク低減
“地上版UTM” × 都市交通インフラの連携
ターゲット:
自治体、スマートシティ事業者、MaaS提供者
内容:
車両と信号機、電柱センサー、EV充電器、交通管制システムの連携
目的:
都市内モビリティの交通流最適化、エネルギー需要管理、安全性強化
参考モデル:
国交省の「デジタルツイン交通管制」や、中国の「City Brain」
eVTOL × SDV 統合管制プラットフォーム
未来型モデル:
空と陸の移動体を統合的に制御
想定パートナー:
SkyDrive、トヨタ、ANA、JALなど
ニーズ:
都市部の混雑・渋滞緩和と、EV空路の最適化
MoOSが実現するビジネス領域(今後の社会を見据え)
1
① EVフリート×空域管制統合
EVの充電・走行とドローンの運航を統合制御
対象: 物流、ラストマイル配送、建設現場
2
② 都市インフラ制御OS
交通信号、充電ステーション、空域使用の動的管理
対象: 自治体、スマートシティ事業者
3
③ 無人物流・無人運送統合運用
無人車両とドローンが連携して配達・作業
対象: EC物流、農業、点検業務
4
④ エネルギー×モビリティ統合管理
充電器・車両・空域を含む需給予測と調整
対象: 電力会社、都市計画者
5
⑤ AIカー対応プラットフォーム
SDVやAIカーのインテリジェンスと統合可能なAPI提供
対象: OEM、車載システム開発者
想定ビジネスモデル
SaaSモデル
自治体・事業者への運行管理ダッシュボード提供(月額課金)
APIプラットフォーム課金
EV充電器、車載OS、ドローン管制ソフトへのAPI提供
OEMライセンス提供
BYD等へのAI判断エンジン、空陸統合ソフトの提供
都市単位導入
都市ごとの交通・エネルギーインフラOSとしてB2G導入
データマネタイズ
移動・エネルギー・空間使用のビッグデータをもとにした広告や予測APIの販売
パートナー戦略(協業スキーム)
BYDとの連携(EV・SDV・eVTOLの垂直統合)
BYDとの連携は「インフラから車両制御・ソフト管理・都市連携」まで、SDVの"エンドツーエンド戦略"を支援
EV・バス・トラック・eVTOLを一貫製造
● BYDの地上車両・空飛ぶ車を対象とした「統合運行プラットフォーム」構築に参画
● テラドローンのUTM+テラチャージのEV基盤で、EV×eVTOL×都市交通のOS連携
中国でV2Gやスマートグリッドとの連携が進む
● テラチャージの充電器群をグリッドの制御ノードと見立て、V2G(Vehicle to Grid)連携のシステム構築
国内販売網が脆弱(課題)
● テラチャージ設置網を活用し、BYD車専用の優遇充電エリア設置 ⇒ O2Oマーケティング活用
ソフトバンクとの連携(MaaS・通信・クラウド)
ソフトバンクはMaaS、クラウド、デバイス、通信の総合インフラ企業。テラドローン+テラチャージの制御系と統合的プラットフォーム連携が価値を生む。
ソフトバンクの強み
  • 通信インフラ(5G/LPWA)
  • PayPay / LINE / Zホールディングス
  • SmartCity戦略(トヨタWoven Cityなど)
事業展開アイデア
1
ドローン向け通信制御の知見と、EVフリートのV2X/OTAにおけるネットワーク連携
2
低空域×EV空間の「統合通信マネジメント基盤」構築
3
テラチャージの充電体験をID連携で一元化
 ⇒LINEでルート検索→PayPay決済→充電予約まで統合
4
UTMベースの都市交通流可視化+EV運用効率化ダッシュボードを自治体・開発事業者に提供
MoOS構想の本質的意義
モビリティを「個別車両・個別インフラ」から「統合された知的システム」へと進化
EV/ドローン/eVTOL/AIカーといった新技術を、"部分最適"から"全体最適"へ導く
テラチャージとテラドローンという、地と空のリーディングカンパニーによる国産オペレーティングシステムの確立
国内外のスマートシティ・MaaS構想に対する中核レイヤーとして展開可能
MoOSの最終ビジョン
「空と陸を統合したモビリティ・オペレーティング・システム(MoOS)」
これはEV充電だけでなく、「移動・制御・通信・エネルギー・安全」のすべてを束ねる次世代のインフラプラットフォームとなる
MoOSが解決する社会課題
MoOS構想は、都市と地方の両面において、ライドシェアや無人物流などを統合管理することで、以下のような社会課題の解決に寄与します:
都市における課題解決
  • ライドシェア・フリート車両の運行最適化により、都市渋滞の緩和
  • eコマース物流のルート分散とドローン統合による物流コストの低減
  • EVの充電混雑を分散・制御することでエネルギー負荷の平準化
地方における課題解決
  • 地方の移動難民(高齢者・非免許者)へのオンデマンド交通提供
  • 自治体の赤字バス路線をライドシェアと統合し、低コストでの運行継続を実現
  • 運転手不足社会における公共交通の効率運営支援
ビジネスモデルとしての展開
MaaS事業者向けSaaS提供
地域交通統合
地方自治体へのオンデマンド交通OSライセンス供与
フリート会社・ライドシェアアプリ提供企業へのリアルタイム交通API課金
これにより、MoOSはモビリティ社会の「交通・物流・エネルギー」のすべてを統合する新しい社会インフラとしての位置づけを確立します。
NEXT
〜MoOSのその先へ


「モビリティ・インテリジェンス・オペレーティング・システム(MIOS)構想」
– AIカー時代のIoV×EV×空域統合管理プラットフォーム –
① コンセプトの進化:SDV → AIカー × IoV × 地空融合
管理対象
旧構想: EVフリート・空域交通
新構想: クラウド接続されたAI車両・ドローン・eVTOL群
制御技術
旧構想: UTMベースのルート・充電最適化
新構想: AIモデルによるリアルタイム判断・予測制御
通信技術
旧構想: LTE/5G+クラウド
新構想: IoV(C-V2X)+NPU/エッジAI+生成AI
UX設計
旧構想: 管理者向け運行ダッシュボード
新構想: AIエージェントと会話するコックピットUX
主導企業の役割
旧構想: テラドローンの管制ノウハウ活用
新構想: テラドローン+テラチャージが「AI×空間×エネルギー」の都市OS基盤事業者に進化
② 各社の役割と提供価値の再設計
テラチャージ
  • EV車両のIoVハブとしての充電器進化
  • AIカー向け「位置・電力・混雑」メタデータ収集・供給基盤
テラドローン
  • AI制御された空域モビリティの統合運行プラットフォーム(空版IoV)
  • AI×地空統合交通予測モデルの構築
BYD
  • AIエージェント搭載のEV/eVTOLを展開
  • テラチャージ・ドローン網とのクラウド連携前提のSDV開発
ソフトバンク
  • IoVネットワーク(C-V2X/5G/LPWA)提供
  • 生成AI・クラウド基盤・ID連携(LINE, PayPay)でUX統合
③ 具体的ユースケース(進化版)
【AIカー×充電最適化】"思考するEV"の自己判断充電制御
  • AIが最適充電時間・場所・混雑状況をリアルタイム判断し、テラチャージへ自動予約
  • フリート運行管理と連携し、配送遅延やルート変更もAIが自律判断
【空と陸の混在環境下】地空統合IoVによる都市モビリティの最適制御
  • ドローン・EV・eVTOLが混在するエリアで、AIが交通を予測し、衝突回避と混雑緩和を事前制御
  • 都市OSとして自治体に提供、都市全体のモビリティエネルギーの"需要制御AI"
【AIコックピット】EV車内に"チャージAI"が搭載
  • 「あと何km走れる?どこで止まればいい?」→AIエージェントが提案
会話型UXで運転手に最適解提示(生成AI × 車両センサー × テラチャージAPI)
④ 新たな事業モデル
AIカー時代においては、「車が思考し、空間を読み、都市と会話する」ことが当たり前になります。テラチャージ×テラドローン連携は、その中核として、地空融合×電力制御×AI意思決定の交差点に立つポジションです。
インフラ(IoV/充電/空域)
API課金、データマーケット、優先帯域制御料
ソフトウェア(AI制御層)
MaaS事業者・フリート企業へのライセンス提供
OEM連携(BYD等)
OEM向け「MIOS対応車両」開発支援/サブスクリプション搭載
B2G(行政/都市OS)
都市向け統合モビリティ制御SaaS/信号制御連携/空域調整ソリューション
MIOS(Mobility Intelligence Operating System)構想
■ コンセプト
「AIカー・IoV時代に向けて、移動体そのものが知性を持ち、自ら意思決定する世界。MOOSが"運用のOS"であるならば、MIOSは"学習と意思決定のOS"である。」
■ なぜMIOSが必要か?
1
限界(MOOS)
  • 静的なルールベース運用
  • 管理者による集中制御
  • 各システム間連携の困難さ
  • 計画重視の管理モデル
2
拡張(MIOS)
  • 動的・自己学習型の判断制御
  • モビリティ自体がAI判断を持つ
  • AIエージェントが統合・調整
  • 生成AIによる即時最適ルート/充電/制御提案
■ MIOSにおける4大機能
AI定義モビリティ
車両設計段階からAI中心の判断構造(例:AI起点でBMS・ADAS開発)
生成AIコックピット
ドライバーや管理者がAIと会話しながら判断(ChatGPT×EV)
AIフリート制御
フリート車両間の自律協調制御(例:自動再配置、充電タイミング調整)
空×陸 統合AI管制
ドローン・eVTOL・EVがAI経由で同時判断・相互回避を実行
【MIOS構成技術】
生成AI(大規模言語モデル)
… コックピットUX、充電戦略
NPU/SoC統合ハードウェア
… AI車両内制御
IoV通信(C-V2X)
… 車間・施設・空間連携
クラウドエッジ連携
… 充電インフラ×AIモデルのリアルタイム適用
デジタルツイン都市
… 都市レベルでの予測学習と最適判断
■ MIOSによる展開ユースケース(例)
1
AIが最適なEVルートと充電器を提示、LINEで通知+PayPayで予約決済
2
配送トラックが、ドローン交通を予測してルート調整を自動実行
3
eVTOLとEVが信号機を介してAI判断で相互通行制御
4
都市全体の交通・電力・物流フローをAIがリアルタイムで学習・調整
終章:ビジョン
MOOSは、モビリティを安全に「運用」するOS。
MIOSは、モビリティが「学習・判断・提案」する知的生命体へ進化させるOS。
テラチャージとテラドローンがその中核を担う未来は、日本発の移動のOS世界標準への挑戦です。